サタデープログラム 永井一郎

2月 24th, 2008 by admin

 サタデープログラムに行ってきました。今回は永井さんを見に。

 会場は東海高校の明照殿という場所で、正面には仏像が並び立ち、金色に輝いているというもの凄い仏教臭にびっくり。仏教系の高校だったんです
ね。荒木さんの時よりかなり人数は少ない印象で、会場も狭かったです。と言っても、会場設営のため順番待ちをしている内に列はそれなりに長蛇の列へ。会場
に入った時には、100人前後は居たのではないでしょうか。

 そして、永井さん登場。ゆっくりと入り口から入ってきて壇上へと登る最中、歩く様子は白髪交じりではありますが、その足運びは矍鑠としていて、とても今年76歳を迎えられた人のものではありません。

 壇上に上がっても柔和な雰囲気こそあれ、眼も声もとてもはっきりしていて、良く見る老人とされる人間とは一線を画しています。

 さて、肝心の講座内容ですが、「バカモン! 波平、日本を叱る」と題された講演で、主な内容は現在の日本、世界の置かれた風潮や現状の教育、若者の在り方に対して、「人間が劣化している」と称し、それを打破するには物の考え方を教えるべきだ、と言う話をされていました。

 以下、思い出せるエピソードを箇条書形式で羅列します。記憶が前後している箇所もあるかと思います。メモを取っておりませんので。(今回はレポ上げる人は居るのかしら)

・サザエさんの作者、長谷川町子さんが亡くなられたとき、世の学者、コメンテーター達は挙って、「現代を描ける作家が亡くなった」と叫んだ。しかし、私に言わせて貰うとそれは誤りである。

・サザエさんの連載が開始されたのは終戦の翌年、そして開始時点で波平は52、3歳。生まれを逆算すると明治25、6年になる。つまり、磯野家の骨子は明治の理論で出来ており、それを評して現代とはあまりにおかしい。

 尚且つ、磯野家には薄型テレビも無ければゲームも無く、携帯電話も持っておらず、パソコンも存在しない。それでも磯野家は幸せなのだ。

 また、長谷川町子さんはオイルショックの頃には筆を断っていて、既にアニメこそ続いてはいるが、サザエさんとしてはとうの昔に終わっているのである。

・明治の男、波平の良い所は「叱る」事が出来た所である。叱ると怒るは違う。波平も怒りはするが、フォローをする。現代の男性諸氏はどうも叱る事が出来ない。これは何故か。

・終戦を迎えた時、教育勅語は廃された。これは特に問題のある事ではない。だが、それに変わる物が結局据えられる事なく、アメリカの「自由と平等」をそのまま据えて、日本の教育はリスタートした。

・しかし、自由と平等とは言葉からして対立する言葉だし、そこから推し進められた「個性重視」という路線がまた間違いを生んだと思う。個性とは、
「知識」を知らない人間が生める物ではない。ボールペンやハンカチは、機能も名前も知っている筈だ。だが、それを作る事は出来ない。何故か、それは結局の
ところ知らないからである。知らない物は生む事が出来ない。

・だから、詰め込み教育の必要はあったと思う。土台が無ければ個性など生める訳が無いからだ。昔の教育は、幣衣破帽であった。弊衣破帽であっても、きちんとした物の考え方を覚え、立派な社会人になれば良かったのだ。その為には形振りなど構っていなかったのである。

・そこで、物の考え方のコツを教えます。

◇疑ってみる

◇極論を考えてみる

◇逆から考えてみる

◇逆を考えてみる

(他に何個かありましたが、ごめんなさい覚えてません)

・こういう風に物を考えていけば良いのではないか。若い人にも一杯素晴らしい人は居る。会場には一杯一般人が居るが、生涯教育として頑張ってほしい。

以下、散文的に思い出せる事を箇条書き

・俳優とは、一人の人間を作る事である。100よりも1000、1000よりも10000のその人物に対する知識があってこそ、その人物らしさを表現できる。

・昔、京都大学に通っていたとき、演劇部は共産主義で犇めいていた。それが嫌になって部を辞め、親父に「資本主義と共産主義はどちらが正しい」と
聞くと「資本主義も共産主義も、所詮ただ国民に如何に資産を分配するかのやり方であり、正しいとか間違っているとかは無い」と言われた。そこでほう、と
思って中庸的な方法が結局正しいと思っている。

・親父は商売は、相手との儲けの比率は5分5分では無く、6:4にしろと言っていた。7:3ではダメ。7:3だと、5分5分からたった2つ進んだだけだが、3と7には2倍以上の差があり、結局相手を潰してしまう。それは長期的に見て、大いなる損に繋がってしまう。

・地球温暖化問題は世界が抱えた問題の中でもとても重大だ。解決するには三つの方法がある。一つは地球を脱出する方法だ。大学時代の知人で、宇宙
船を開発する研究所に勤めている知人が居たので、「宇宙船を造れば、それは長期的には地球環境を汚染して、地球を住みにくい場所にしてしまうのでは?」と
聞くと、「だから地球を脱出する方法を模索しているのだ」と答えられたので苦笑した。

そして、「もし脱出するなら、世界何百億という人間全てを脱出させる方法はあるんだろうね?」と聞くと、苦笑いして知人は居なくなった。

二つ目は、排出する量を減らすという方法。これは現実的である。

実際に、多くの機関などで実現されている。

三つ目は、極論だが、二酸化炭素は金銭が産みだす。動物は金銭を欲しがらず、人は金銭のために二酸化炭素を排出している。だから、金銭の儲けを大型ジェットの費用、50億以上はもれなく寄付する様にすればよい。それ以上は、分配すればよい。

・マスターシャーフーは良かったと思う。何でも修行だと言うのは、たとえば子供がお使いに行くのも修行だ、と思うのであれば良いと思う。

確かにたまに難解で、子供が理解できるか? と首を傾げるのもあったが、概ね私はあれは好きである。

とても面白い会でした。

その後、同じ会場で白石稔のトークショー!がありましたが、アホみたいに並んでいたので入れず、そのまま帰路へ。

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